e-Stat API 利活用支援システムについて

開発の経緯

 公的統計は、統計法により、国民すべてのための情報インフラとして位置づけられており、法の主旨を国の施策として具現化したものが、政府統計総合窓口(以下、e-Statという。)ではないかと思います。

 e-Statでは、国が所管するありとあらゆる統計データを、省庁の枠を超え体系的に整理し、利用者が活用しやすい形で提供されています。

 また、e-Statでは、統計データをWeb API(以下、APIという。)としても公開されています。
 APIが提供される以前は、統計データを使ったアプリケーション開発を行う場合、多数の統計表データを一つずつ手作業でダウンロードし、手作業で加工し、自前のデータベースに格納する、という工程が必要でした。
 APIが提供されて以後、利用したい統計データをAPIで動的に取得するような仕掛けを一度作ってしまえば、手作業でダウンロードすることなく、最新のデータを常に使うことができるようになりました。

 また、e-Statでは、平成28年度から、オープンデータの最高ランク(5スター)である LOD (Linked Open Data) での統計データの提供を開始されています。
 これにより、セマンティック・ウェブの考えに基き、語彙(クラスやプロパティ)が綿密に定義された統計データを、公開エンドポイントから取得できるようになりました。
 この統計LODですが、私のような一般ユーザが利用するための技術は、まだまだ発展途上の段階にあると思います。
 しかしながら、数年後には、その利便性を理解する人も増え、ユーザーの輪が広がり、推論により的確にデータを取得するような便利なアプリケーションも開発されるのではないか、と想像しています。

 これらのLODを含む統計API機能は、上手に使うと本当に便利なのですが、その利用には、やはりある程度のITスキルと統計の知識とが必要です。
 私は、その利用のハードルを下げ、利用者の裾野を広げたい、という思いから、これらのシステムを開発しました。
 現在のハードルの高さが1mとすると、これらのシステムを上手く使えば、50cmに下げることができ、飛び越えられる人は10倍に増えるかも…? と、手前味噌ですが、そんな想像をしています。
 可視化分析のツールではありませんので見た目は地味ですが、実用的で使いやすいものを提供する、ということを念頭に置き作りました。

 統計APIは本当に便利なものです。
 私は、社会の共有財産としてのこの情報基盤を、多くの方が、よりよい未来を築くために利活用していただくことを願っています。

今回作ったツール

API Search Engine(統計APIサーチエンジン)

 API Search Engine とは、e-StatのAPI統計データを、簡単な操作で検索し、データ内容の閲覧を行うシステムです。
 検索した統計データを画面上で確認する以外に、利活用しやすい構造に整形したCSVやJSONで取得することも可能です。詳しい使い方はこちらをご覧ください。

StatApiMagic.js(スタットAPIマジック)

 StatApiMagic.js とは、e-StatのAPI専用ライブラリであり、データ構造のコンバータです。
 手品で使う魔法の箱をイメージしてネーミングしました。
 e-StatのWeb API「統計データ取得」により受け取ったHTTPレスポンスデータ(json)の構造を、利活用しやすいシンプルな形に再構築するものです。

その他

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